サマー エンディング

夏の海は不浄者の心も洗う

一真昼間の夏の海に200円くらいの切符を買って遊びに行った女と飲んだ、その時はお酒なんか飲めるご身分じゃなかったけど、今日は違う。お前の好きな物全部なんでも頼んでいいぜって俺は不浄者ながら言える歳になった。言いたいことは1つしかないのは僕も分かってる、僕の不浄さ故に分かれた相手。お互いに数杯の酒を交わし無言の時間を昔と同じように 眠いね なんて言い合った。

俺は今ピンサロにいる。財布に入った一万円を使いきりたかったから、君のため、いや、お前のために銀行から下ろした一万円を使い果たすため。

彼女たちの枕詞は隙がない、俺の節々まで、俺に似た匂いを残すからだ、落ちもクソもへったくれもない。背伸びして買ったラッキーストライクは時間を蝕む。

あの子に会う時に買えば良かった煙草を寂しさの中でやけくそに買ってしまった、馬鹿野郎、会う時に見得の晴れる男なら俺はシケモクのために汗を流してねえよ。

抜けもしない女に、次会う時だねなんて言われて、抜け目のない君から手放しのありがとうを言われる。

不浄はどうでもいい町の喫煙所で、あの女云々言ってる、朝日をポッケにしまった奴らのためのものじゃない、間違いなく俺のものだ、俺が一番似合う。財布の中には200円くらいしか入ってないけど。